「東京都男女平等参画推進総合計画改定に当たっての基本的考え方(中間のまとめ)に関する都民意見の募集」に都民意見を提出しました
提出都民意見
提出団体名:NPO法人バーチャルライツ東京都支部
支部所在地:東京都大田区
要約:東京都配偶者暴力対策基本計画関係は、大枠については評価するものの、日本国憲法第21条にも定められる表現の自由への配慮が圧倒的に不足していると言わざるを得ず、民間検閲や表現の萎縮につながりかねない文言が含まれているため修正を強く要望する。
本文:
第1部 基本的考え方
3 暴力のない社会の実現に向けて
「また、暴力表現や配慮を欠いた性表現を防ぐなど、メディア等における人権の尊重を確保するとともに、スマートフォンの普及に伴う、SNS等の利用によるトラブルや被害に対する対策に取り組むことも重要です。」について
リベンジポルノを始めとした実在する人物への明らかな人権侵害表現については厳正に対処する必要がある。しかし、「暴力表現や配慮を欠いた性表現を防ぐ」という文言では、非実在少年も含む通常の創作活動に対する萎縮を招く恐れがあるため、「”違法な※”暴力表現や性表現を防ぐ」といった文言への差し替えを強く要望する。
※ここでの「違法な」とは私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律やわいせつ物頒布等の罪違反などを指す
「配偶者等暴力対策の実施に当たっては、性暴力やストーカー行為の防止、性・暴力表現への対応など、近接する課題にも視野を広げ、合わせて取り組むことで、配偶者等暴力対策の実効性をより高めることが期待できます。 」について
性暴力やストーカー行為の防止やリベンジポルノを始めとした実在する人物への性・暴力表現への対応によって配偶者等暴力対策の実効性をより高めることが期待されるが、上記文言では、課題が隣接していると判断されれば全く関係ない非実在青少年表現などが規制されかねないため「配偶者等暴力対策の実施に当たっては、性暴力やストーカー行為の防止、リベンジポルノを始めとした実在する人物への性・暴力表現への対応など、配偶者等暴力対策に深く関係している問題に視野を広げ、合わせて取り組むことで、配偶者等暴力対策の実効性をより高めることが期待できます。」といった文言への差し替えを強く要望する。
第2部 基本計画に盛り込むべき事項
8 調査研究の推進
Ⅴ 性・暴力表現等への対応
■ 現状・課題
「表現の自由を十分に尊重しつつ、表現される側の人権や性・暴力表現に接しない自由、マスメディアや公共空間において不快な表現に接しない自由にも十分な配慮を払う必要があります。」について
表現される側の人権、すなわち表現された当人の人権は最大限尊重されるべきである。そのため、当人が納得した上で合法的に公開された表現についても同様に最大限尊重されるべきであり、第三者の快不快といった主観によって表現の自由をはじめとした人権が侵害されるようなことはあってはならない。また、非実在青少年の表現についても同様に、合法的な範囲での表現については快不快に関わらず許容されるべきものであり、受け手側の不快な表現に接しない自由について行政が特筆するべきではないため、項目の削除を強く要望する。
「グローバル化に伴い、ビジネスや観光で来日する外国人が増えている中、性・暴力表現について国際的な視点を持つことも大切です。」について
上記文言ではドラマやアニメなど創作物での表現が萎縮する可能性が否定できないため、「リベンジポルノを始めとした実在する人物への性・暴力表現」といった文言への差し替え、または当項目自体の削除を強く求める。リベンジポルノを始めとした実在する人物への性・暴力表現については、国際的な視点を持つまでも無く厳正に対処されるべきものであるが、合法的な性・暴力表現についてどのような視点を大切にするかは表現・創作活動者が決めるべきであって行政が重要な視点を示すべきではない。
当項目を削除しない場合、「国際的な視点」が具体的に何を指しているのかが極めて不明瞭であるため、国際的な視点の詳細を記述するべきである。
■ 取組の方向性
「メディア事業者自身による暴力や性表現の自粛等、自主的な取組を促すことが必要です。」について
上記文言は、民間事業者や個人クリエイター・アーティストの過剰な表現の萎縮を招く可能性があるため不適切である。具体的には、「メディア事業者自身による”違法な※”暴力・性表現の自粛等、自主的な取組を促すことが必要です。」など客観的な指標に基づく文言への差し替えを強く要望する。
※ここでの「違法な」とは私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律やわいせつ物頒布等の罪違反などを指す
以上
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