取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)等に関するパブコメに意見を提出しました。

NPO法人バーチャルライツは12日、消費者庁消費者政策課が行う「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)等に関する意見募集について」とのパブリックコメントに意見を提出しました。

以下で意見文と理由を紹介いたします。

取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行規則案についての意見:

①施行規則案第4条では「法第五条第一項の内閣府令で定める額は、一万円とする。」とあるが、販売業者等のプライバシーや営業及び表現の自由を擁護する観点や、開示請求によって得られた情報がインターネット上で公開されるなどの情報の目的外利用を防ぐ観点から、内閣府令で定める額を5万円から10万円程度に増額させるべきだと考えられるが、どうか。

理由:あまりにも金額が低すぎると匿名クリエータの権利が脅かされる可能性があるのではないか、という観点から情報の目的外利用を防ぐための修正を求めた。

②施行規則案第5条では、「法第五条第一項の債権の行使に必要な販売業者等に関する情報として内閣府令で定めるもの」として6つの例示がされているが、個人事業者の存在を想定して、取引デジタルプラットフォームと連携されているSNSアカウントのID情報も「販売業者等情報の項目」に入れてはどうか。電子メールアドレスに加えてSNSアカウントのID情報も開示請求の対象となる販売業者等情報とすることで、消費者保護と個人事業者の個人情報保護双方を図ることが出来るのではないかと考える。

理由:取引デジタルプラットフォーム提供者が開示請求に対する情報提供としてSNSアカウントのID情報を選択できるようにすることで、匿名クリエータたる個人事業者の個人情報保護を図れるような修正を求めた。

取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律第3条第3項に基づき取引デジタルプラットフォーム提供者が行う措置に関して、その適切かつ有効な実施に資するために必要な指針(案)についての意見:

①取引DPF消費者保護法はCtoC取引を対象としていないことが制定過程の議論等から推察されるが、同法第2条第4項に定められる「販売業者等」にどの程度の事業規模から該当するのか取引デジタルプラットフォーム提供者が判断できなければ、同法第3条の措置を適切に行うことは困難であるから、判断の参考となる例示を記載するよう求めたい。

②「ベストプラクティスの例」に販売業者等の氏名、住所等を取引デジタルプラットフォーム提供者が取得することが記載されているが、匿名クリエータが多いプラットフォームの存在等を考慮し、販売業者等のプライバシーや営業及び表現の自由に十分配慮するよう取引デジタルプラットフォーム提供者に求めるような記載を求めたい。

③匿名クリエータが多いプラットフォームの存在等を考慮し、「ベストプラクティスの例」にプラットフォーム毎の実情に合わせた取り組みが重要であるといった記述を求めたい。

理由:同法はAmazonやメルカリなどの物理取引が議論の中心となって成立したため、BOOTHをはじめとした匿名を前提としたクリエータが前提となっているデジタルプラットフォームの実情が考慮されているとは言い難い。そのため、匿名クリエータが多く存在するプラットフォームの実情に合わせたベストプラクティスの記述を求めた。

編集-SUKANEKI

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